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ask.fm での質問「http://www.nintendo.co.jp/wii/sf8j/index.html」に対する返答

ドンキーコングリターンズはその名前(リターンズ)からして分かるように,ドンキーファン待望の一作となりました.
元々,スーファミ時代のスーパードンキーコングシリーズの魅力は何かというと,当時としては驚くほど美麗なグラフィック,そのグラフィックの雰囲気にぴったりと合った素晴らしい音楽,非常に手の込んだ難易度の高いステージに,(特に2以降の)ボーナスステージやDKコイン集めからのロストワールドといったやりこみ要素,等が挙げられますが,リターンズはその魅力のいずれも受け継いで更に発展させたゲームになっています.
グラフィックについてはハード面の進化もあり(そもそもスーファミ時代のドンキーシリーズの美麗なグラフィックは,異なる色を爆速で点滅させることでスーファミの限界を超えた色に見させるという,ハード面のボトルネックを何とかして超えるための技法が使われていました),よりドンキーの世界にあったものとなりました.特にジャングルが分かりやすいですが,いずれのワールドでも背景やステージのグラフィックは非常に凝っており,細かい部分まで雰囲気をよく出しています.他に特筆すべき点として,タル大砲やバナナ等のものを除き,ステージには浮いているものが一切ないという点が挙げられます.こういったアクション系のゲームでは浮いている足場とか物理法則に反している要素というものが頻繁に出てきますが,ドンキーコングリターンズでは空中の足場はちゃんと下に骨組みがあるか,背景から出っ張っている形をとっているか,天井から吊り下げられているなどの形をとっていて,その点にはかなり世界観に関するこだわりが感じられます.
音楽は基本的にスーパーファミコン時代のもののリメイクが多いです.当時も音楽はこれって本当にスーファミ?と驚くような音が多く非常に出来が良いですが,その雰囲気をしっかりと継承しつつも新しく仕上げられたリターンズの音楽は素晴らしいの一言です.こういったゲームの音楽は,単に音楽単体として在るといったものではなく,やはりゲーム自体の世界に合い,またそれを引き立てていくといった役割をもって立ち上がるわけですが,その点についてはスーファミ時代から変わらず最高の音楽であると言えるでしょう.
ステージについては当初結構心配していました.というのも,こういう風に新しいゲームだと,ぬるい難易度になってしまうのでは?という懸念があったためです.しかし,ことドンキーに限りその心配は杞憂でした.スーファミ時代のドンキーシリーズは,当時小学生であったぼくには非常に難しかった記憶が残っているのですが,リターンズはすでに大学生になったぼくがやっても当時の記憶より遥かに難しい,ある意味でかなり衝撃的な難易度でした.アクション性の高い操作はもちろんのこと,ギミックを突破するために必要な思考や,次々と崩れる足場に対応する判断力など,あまりにも満足すぎるというか,予想の何段階も上をいくかなりぶっ飛んだ難易度で逆にこんな難しくて売れるのかと心配してしまった程です.特にワールド6のクリフエリアに関しては,もうほとんどあらゆる足場が一度乗ったら崩壊するものだから,KONGパネルやパズルピースのことなんて考えずにひたすらクリアを目指すにしても何度も落ちてしまいましたね.ドンキーといえば難しい,というのは常々あったイメージですが,そのイメージ通りかあるいはその上を行くステージ達でした.ステージに存在するギミックについても,1 ステージごとにどんどん新しいものが出てきて驚きでした.
ドンキーシリーズのステージといえば,スーパードンキーコング2に出てくる「どくどくタワー」やスーパードンキーコング3の「ハラハラのこぎり」がかなり有名で,個人的にはこの二者の素晴らしい点はなんといっても強制スクロールの緊迫感の演出だと思っています.ただ単に画面が強制的にスクロールされるわけではなく,下から迫りくる毒の海や巨大のこぎりといったかなり恐怖を煽る演出は,特に小学生だった当時のぼくには衝撃でした(ちなみにこの2ステージは,ドンキーシリーズには珍しくかなり現実感のない設定ではあるのですが,いまはリターンズの話なのでこの話は置いておきましょう).リターンズもその例に漏れず,強制スクロールステージは相変わらず衝撃的でした.というよりもむしろ,いま大学生になったぼくが衝撃を感じているほどですから,より衝撃は増したとも言えるのではないかと思います.そのステージはフォレストエリアの「だっしゅつ!虫のやかた」です.何の変哲もないジャングルステージかと思いきや,突然ぶよぶよとジャンプできるイクラのようなものが現れます.なんとこれはおびただしい数の虫の卵であり,このステージは画面端から迫り来る大量の虫に追われる強制スクロールステージとなるのです.虫は端からだけでなく,ステージ中に存在する穴などからもわらわらと湧き続け画面を覆わんとしてきます.それはもう,単純にあまりにも恐ろしいと言う他なく,特に虫がかなり苦手なぼくにとっては当時の「どくどくタワー」や「ハラハラのこぎり」を凌駕する恐怖でした.
そして何といってもやりこみ要素ですね.これはスーファミ時代に比べて最も強化された点と言ってよいでしょう.スーファミ時代には影の薄かったKONGパネルですが,今作では各ワールドに存在するKステージを解禁するための重要なアイテムとなり,パズルピースはボーナスステージで貰える他ステージの様々な箇所に(時にはとても見つけられないようなところに!)隠されており,これらを揃えるだけでも相当なやりこみ要素です.特にパズルピースは普通にプレーしていても見過ごしてしまうようなものが大半ですから,これを集めるというだけでもかなりの難易度です.いっぽうKONGパネルの方は,収集こそピースより簡単なものの,それによって解禁されるKステージが凄まじいです.特に6-Kのステージ「クライマーラビリンス」が2つの点で突出しています.ひとつはこの「クライマーラビリンス」は先ほども言及した「どくどくタワー」の正統派後継とでも言うべき強制スクロールステージであり,下から触れると即ミスの溶岩が迫ってくるという点です(さっき少し言った,ドンキーには珍しい現実感のなさという話ですが,この「クライマーラビリンス」では背景の岩石が崩れて溶岩が吹き出す描写が随所にあるなど,そういった点でも進歩しています).もうひとつは,なんといってもその難易度です.個人的にはこの「クライマーラビリンス」がドンキーコングリターンズ全ステージの中で最も難易度が高いのではないかと思います.まず抑えておきたいのは,このKステージというのは中間地点が全く存在しない,つまりミスしたら問答無用でまた最初から始めねばならないということです.そしてこのステージには DK バレルや回復のハートも一切出現しません.これだけでも恐るべき構成ですが,中間地点やDKバレルが仮にあったとしても尚最強の難易度を誇ると言って過言ではないステージが待ち受けています.上にのぼるタイプの強制スクロールですが,足場は基本的に上から落ちてきます.上から足場の落ちてくるタイミングは固定なので,うまくプレーすればどんどん上にのぼっていけるということがありません(どくどくタワーはそうではありませんでしたので,うまくなった今プレーすればほとんど毒の姿を拝まずにクリアすることも可能です).そうして否が応にも焦らせておきながら,上からは炎をまとった敵が壁伝いに落ちてきては床を伝ってドンキー達を狙ってきますので,上にあがることだけをひたすら考えればいいというわけにもいきません.最難所は後半のジャンプ台地帯で,これは溶岩に浮かぶ2つのジャンプ台の上をうまく飛びながら行き来する地帯なのですが,これだけでも十分に難しいギミックだというのに,なんとそこに虫のような飛ぶ敵がやってきます.その虫のような敵が驚くべき厄介さで,青い稲妻のようなものをまとっているために踏むことはできませんし,何より飛びながらドンキーたちを追尾する動きをします.不安定な足場で,しかもジャンプ台である,という状態でこの虫に追いかけられるのをかわすのは尋常でない難易度です.ここをクリアするためにいくつの風船(ドンキーでは残機は風船で表すのが伝統です)が犠牲になったか知れません.
さて,また高難度ステージに話が戻ってしまいましたが,やりこみ要素の話でしたね.これ以外に主要なやりこみ要素がまた2つあり,ひとつは「タイムアタック」ですね.このタイムアタック,各ステージを普通にプレーするのですがその時間が計測されていて,予め決められた基準タイムに従って銅・銀・金のメダルが貰えます.はじめ,ぼくはスーパードンキーコング2RTAの練習をしていた時期があったことや,曲がりなりにもこのゲームが下手なほうではないだろうという自負があったので,ミスなくつつがなく進行できれば金メダルは達成可能だと踏んでいました.が,何ということか,普通にミスなくプレーしても銅メダルすら手に入らないステージばかりで,いざタイムを縮めようと必死に動きを最適化して頑張っても金メダルのタイムにまったく及ばないではないですか.1ステージに対して30分,1時間と時間をかけて「ここではこの敵をジャンプで超えたあと,この次の敵をちょうど踏めるようなタイミングでローリングをするのが良い」とか「このタル大砲地帯は4個目以外はノータイムで撃ってしまって構わない,4個目だけは少し待つようにする」とかそういう知見を積み重ねてようやくギリギリ金メダルがとれるとか,そういうタイムです.この基準タイムというのはスタッフが Tool Assisted でプレーして決めたのではないかとか,そういうレベルです.
もうひとつの要素が「ミラーモード」です.これはKステージをすべてクリアしたあと,ワールド9の唯一のステージ「黄金のしんでん」(このステージは唯一の例外といってよく,バナナやイチゴやブルーベリーなどの果物が空中にゆらゆら浮いているところを進む幻想的な雰囲気のあるステージで,これがまた異常に難しい)をクリアすると解禁され,全てのステージに対し「ミラーモード」で遊べるようになります.これは名前のとおり元のステージのすべてが鏡像反転されたステージを遊べるようになるわけですが,重要なのはそこではありません(だってすべてが鏡像反転されるだけなら難易度は別に変わらないですからね).「ミラーモード」ではディディーコングは出現せず,ドンキーコングのみで進まねばなりません.これがいかに難しいかというと,今作ではディディーは樽ジェットで空中に少しの間浮けるのです(足場が不安定なことの多いこのゲームではものすごく役立ちます)が,それが全く使えなくなるというわけです.さらに,このゲームはさすがに全体的なステージの難易度を考慮してか,ドンキーとディディーそれぞれに2のライフがあり,基本的に体力満タンの状態から敵のダメージ等を3回までなら食らっても大丈夫,というシステムになっていました.が,このミラーモードではライフは1つになってしまいます.ディディーがおらず,ライフが1ということは,樽ジェットのない高度なアクション操作が求められるドンキーオンリーの状態で,しかも1回でも敵に当たってしまえばそれで終了,というかなり無茶な要求をするモードということです.
お恥ずかしながら,これらのあまりの難易度に,タイムアタックもミラーモードも途中で止まってしまっており(ほぼ挫折に近いレベル),いまだに完全クリアはできていません.いつかは完全クリアしたいところですね(ミラーモードは何とかなるだろうという気がするのですが,タイムアタックは本当に厳しすぎです).